小さい八百屋だからこそできることがある

西喜商店 / 近藤 貴馬 (京都府)

(自由大学クリエイティブ創業スクール修了)

初めは八百屋を継ぐつもりはなかった

西喜

2015年8月、京都市下京区七条千本にある青果店のシャッターが、10年ぶりに上がりました。新鮮な野菜や果物が並ぶ店内では、人参が描かれたTシャツを着た近藤貴馬さんが、忙しそうに動き回っています。近藤さんは、創業から90年以上経つ八百屋「西喜商店」の四代目です。「西喜商店」は、10年前に店舗営業を停止して以来、近藤さんの父親が、業務用の配達にしぼって営業を続けていました。そしてこの春、近藤さんが8年間暮らした東京から京都へ帰り、父親の経営する八百屋に後継ぎとして入りました。

西喜商店

「初めは八百屋を継ぐつもりはなかった」と、近藤さんは言います。
しかし、東京で勤めていた会社の経営不振をきっかけに転職を考えるようになった時、家業の八百屋を継ぎ、地元・京都のために働きたいと思うようになりました。
ところが、近藤さんの父親はこれに猛反対しました。個人事業の難しさをよく知っていたからです。反対に遭いながらも、近藤さんは諦めませんでした。地域活性化を応援するベンチャー企業へ転職するなど、八百屋を継ぐために様々な経験を積んでいきました。近藤さんが真剣に取り組む姿を見て、当初は反対していた父親も、近藤さんが京都へ帰ってくることを了承してくれたと言います。

ビジネスプランについて徹底的に掘り下げること

そんな中、社会人の学びの場を提供する「自由大学」に通っていた近藤さんは、創業スクールが開かれることを知り、通い始めました。
「考える時間をたくさん貰ったことで、頭の中でモヤモヤしていたものを整理することができました。ビジネスプランについて徹底的に掘り下げ、綿密に事業計画書を作成する時間は、”将来の事業”とじっくり向き合う絶好の機会となりました。」
”家業の後継ぎ”という同じ境遇を持つクラスメイトと出会い、励まし合いながら学べる環境も、大きな影響を与えました。
意識の高いクラスメイトのおかげで、近藤さんも常にモチベーションを高く持つことができたと言います。この時の仲間とは、今でも交流が続いています。
「創業スクール開講元の「自由大学」から招かれる多様なゲスト講師から、事業の成功談や失敗談を聞くことは良い刺激となりました。」起業家の元気で勢いのある”生の声”を聞くことで、家業を継ぐことに対し不安になるのではなく、前向きに頑張ろうという気持ちになれたのです。

小さい八百屋だからこそできることがある

西喜商店の歩み

創業スクールを修了後、京都に帰った近藤さんは、父親の元で日々修行に励みながら、店舗のリニューアルオープンに向けて動き出し、ついに開店に至りました。
「小さい八百屋だからこそ、できることがあるんです。うちの店に来てもらったら、確実に美味しい野菜や果物がある。美味しい食卓を家族みんなで囲むことで、幸せになって欲しい。そういうことを言える八百屋になりたいですね」。穏やかな京都弁で話していた近藤さんの口調に熱が入ります。「西喜商店四代目」のこれからの活躍が楽しみです。

自由大学

自由大学クリエイティブ創業スクール/株式会社スクーリング・パッド

望月 暢彦さん

詳しく知る

自由大学クリエイティブ創業スクールでは、「学びたい」という受講生の自主性を大切にし、講師が一方的に話すのではなく、受講生が自分で考えて発言するインタラクティブな講義を目指しています。また、多様なバックグラウンドを持つ仲間を作ることは、創業後の大きな力になると考えているため、受講生同士の交流もサポートします。多方面で活躍するゲスト講師を当スクール開講元の自由大学から招くなど、ユニークで様々な刺激を受けられる講義は好評をいただいています。
近藤貴馬さんは、意志が強く、どんどん前に進もうとする行動力があります。お父様と衝突されたという話は、家業を継ごうとする参加者の多いクラスで、皆の共感を得ていましたね。また、楽しく愉快で、人をうまく巻き込んでいくことのできる方です。

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